ライカLマウントレンズ

かってライカマウントと言えば、全てがこのスクリューマウントであった。ズマール、ズミルックス、ズミクロンなど本家本元のライツ社の高価なレンズから、世界中で作られたイミテーションライカ用のレンズが、それこそ無数にある。あの頃は世界中がおっとりしていて、日本はもちろんだが、アメリカ、イギリス、ロシアまでライカそっくりなカメラを堂々と作っていた。

ライカVF CANONUs

レンジファインダーのライカにつけるLマウントレンズは、口径が小さくコンパクトで、小柄なルミックスG1には大変よく似合うレンズ群だ。しかも、日本やロシアでは安くて高性能のレンズが、数多く供給されている。

コンパクトで品質の高いライカLマウントのレンズは、G1の最良のパートナーと言える。

ライカ純正レンズ

ライカは35mmフィルムで写真を撮るという文化を創出した画期的なカメラである。だから今でも世界最高峰のカメラとして君臨している。交換レンズの価格も極めて高価で、庶民にはとても手が届かない。それでここでは、時代を切り開いた歴史的名玉を取り上げることにする。いずれも60年以上前に発売されたもので、さすがに価格もほどほどで我々にも手が届く。

SUMMARON 35mm F3.5  (ライツが敗戦後最初に造ったレンズ)
SUMMARON 35mm F3.5
ライカ純正のズマロン35mmF3.5である。
1946年敗戦から立ち上ったライツ社が、
最初に作ったレンズだという。
LUMIX G1
ズマロンをつけたG1。
精密機械になったように見える。
写真を撮るのが楽しくなる。

これは正真正銘の西独エルンストライツ社製のライカ純正レンズだ。
ペンタックス最新の35mmリミテッドレンズを売って、60年前のズマロンを手にした。
非常に小さいレンズだが、描写力はあなどれない。一種独特の味わいがある。
妙に人を惹きつけるレンズなのである。4群6枚構成で最短撮影距離は1m。

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F5.6 1/640 iso100 F5.6 1/800 iso100
無限遠はそれほどシャープとは言えないが、なんとなく雰囲気のある描写になる。
F5.6 1/160 iso200
立春の日の新宿御苑。梅がちらほら。
F5.6 1/250 iso200
1mの最短距離で撮った木瓜の花。
F8.0 1/80 iso200
水仙は今が盛りだ。
F5.6 1/60 iso200
水仙を背景にして紅梅に焦点をあてた。
F8.0 1/2500 iso800
新宿御苑のヨコハマヒザクラ。
F8.0 1/640 iso800
落羽松。地表に出ている水根が不思議。

SUMMAR 50mm F2.0 (ライツ社初の大口径レンズ)
ズマール50mm F2.0
戦前のライカ純正レンズだ。
世界の中古カメラフェアで8千円。
ヘリコイドストッパーが欠品。
Lumix G1
ライカ純正のズマールを付けて
ちょっと誇らしげなG1。
ストッパーなんて無くても平気。

このレンズの誕生は1933年だという。エルンストライツ社初の大口径レンズである。
さすがにフレアーは盛大だし、設計の古さを感じさせるが、なんとなく懐かしい写真に
なるのは気のせいだろうか。
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F3.5 1/1250 iso200
カワラナデシコ
F5.6 1/400 iso400
アヤメ
F3.5 1/2500 iso100 F5.6 1/1250 iso200
F2.0 1/2500 iso100 F5.6 1/160 iso200

ELMAR 50mm F3.5   (ライカ最初の標準レンズ)
エルマー50mmF3.5
世界の中古カメラフェアで手に入れた。
かなりくたびれていて、相場の半額だった。
Lumix G1
エルマーを付けたルミックスG1。
良い写真が撮れそうだ。

大正14年(1925)、ライカの最初の市販モデルA型が世に出てから、ずっと標準レンズであった。ライカが小型カメラの世界で、ナンバーワンの評価を得たのも、このエルマー50mmF3.5に負うところが大きい。1925年から1961年まで生産され、36万本以上がライカのために供給された。非常にポピュラーなレンズで、市場には数多く出回っているが、それでも人気が高く4万円以上で取引される。

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F8.0 1/500 iso100
和光時計塔
F8.0 1/320 iso100
三菱1号館
F8.0 1/160 iso100
日比谷公園
F5.6 1/500 iso100
昼寝する猫
F3.5 1/1000 iso100 F4.0 1/800 iso100
都会の薔薇 タチアオイ
F8.0 1/400 iso100
兄弟げんか
F8.0 1/1250 iso100
自立する子


ロシアレンズ

ここでは、旧ソ連圏のレンズを取り上げる。第2次大戦の終結時、ソ連はドイツのイエナに侵攻し、世界最大の光学機器メーカであったカールツアイスを接収する。この技術者と機械設備をソ連領に移動させ、光学機器の生産を始める。

この時の工場群はソ連崩壊後も、ロシア、ウクライナ、ベラルーシなどに別れて生産を続けるが、中古市場ではロシアカメラ、ロシアレンズとして根強い人気を維持している。特にレンズは、なにしろ名門カールツアイスのDNAを受け継いでいて性能は折り紙付き、その上、ドイツ本家に比べれば驚くほどの安値なのだ。我々庶民には大変嬉しい。

旧ソ連のコーピーライカは、FEDとゾルキーが有名である。FEDの方が古いが
ゾルキーの方が多少高級機ということらしい。
FED 1 ゾルキー 1
ウクライナのFED工場で生産。
戦前からライカのコピーを
作っていたらしい。
ロシア クラスノゴルスクの
KMZが、1949年、FEDの
技術を移植して生産を開始。


JUPITER−3 50mm F1.5
ジュピター3 50mm F1.5
旧ソ連製のレンズである。
ヤフーオークションで落札した。
LUMIX G1
金属製の鏡胴がG1によく似合う。
なんだか別のカメラのように見える。

カールツァイスの銘玉ゾナーのデッドコピーである。1950年代から90年代まで生産された長命のレンズだ。メーカーもKMZ、ZOMZ、MMZ製があり、バリエーションも多い。このレンズはロシアのZOMZ(ザゴルスク光学)製。

ゾナーのライカマウントはなかなか手に入らないが、ジュピターは流通量も多く、格安価格で手に入る。
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F5.6 1/800 iso100 F5.6 1/800 iso100

解放での無限遠は話にならないくらい甘い。それがF5.6ぐらいまで絞り込むとがぜん魅力を発揮する。不思議なレンズだ。

F2.8 1/1000 iso100
冬のバラ
F2.8 1/400 iso100
最近接距離は1m

さすがはゾナーのDNAを受け継いでいるレンズだ。この描写力はただものではない。

F5.6 1/640 iso200
法華経寺五重塔
F5.6 1/125 iso100
ミニ

F5.6 1/160 iso100
ノラ
F5.6 1/80 iso100
インコ


INDUSTAR-22 5cm F3.5
インダスター22 5cm F3.5
ヤフーオークションで3,600円。
ロシアKMZ製。重量は115g。
インダスター22とG1
ライカのエルマーそっくりで、
赤い刻印がかっこいい。

デザインは沈胴式エルマーにそっくりである。距離目盛りが赤く刻印してあるのが、
人気の赤エルマーにそっくりでとてもオシャレだ。無骨なロシアのイメージとは全く
違って、なんとも粋なのだ。外観はエルマーそっくりだが、中身はテッサーだという。
この辺がロシアの不思議なところだ。

1950年代から作られて、種類もメーカーも様々だが、上のレンズは60年代初めの
モノらしい。KMZのマークが赤で刻印してある。マークや距離目盛りが赤というのは
非常に珍しい。

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F5.6 1/1250 iso100
高圧鉄塔
F5.6 1/2500 iso400
新宿御苑から
無限遠はとびきりシャープというわけではないが、抜けが良くクリアーな描写だ。

F5.6 1/800 iso400
新宿御苑の猫
F5.6 1/4000 iso400
女の子
F5.6 1/1600 iso400
色づいた葉
F5.6 1/2500 iso400
大きな風車

INDUSTAR−61L/D 55mm F2.8
インダスター61L/D 55mm F2.8
5千円で手に入れたロシアレンズ。
インダスターを付けたG1
配色が派手で高級感はない。

M42マウントに61L/Zというよく似た名前のレンズがある。六芒星のボケで有名なのだが、
その原型と言われるこのライカLマウントのモデルには、星形のボケは現れない。
絞りの形状も普通の6角形だ。

インダスターというレンズは、旧ソ連のいろいろな工場で作られた。このレンズはウクライナ
ハリコフ市にあるFED製。FEDというのは、かの悪名高きKGBの初代長官の頭文字
だって。彼の地では彼は今でも英雄である。ハリコフ市は第2次大戦末期、ナチスドイツ
との激戦地でもあった。

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F5.6 1/80 iso100
高圧鉄塔
F5.6 1/1600 iso100
帆のある風景
なかなかダイナミックな描写で楽しいレンズだ。無限遠も非常にシャープである。

F5.6 1/1600 iso100
海鳥とディズニーランド
F5.6 1/250 iso400
秋の公園
F5.6 1/80 iso400
眠り猫
F5.6 1/50 iso400
寝ぼけ猫


日本のライカマウントレンズ

日本のライカマウントレンズは性能が良く、造りも丁寧で本家を上回る人気がある。特にキャノンやコシナのフォクトレンダーはシャープで抜けが良く、クリアーな描写力で絶大な人気を誇る。

キャノン50mmF1.4
CANON50mmf1.4
RAYQUALのマウントアダプター
左ライカL−M、右ライカM−M4/3
RAYQUALは宮本製作所の商標。
2枚のリングを重ねて使う。
LUMIX G1
CANON50mmを付けたG1。
なんだか精悍な感じに見える。
非常に明るいのでピントの山を
つかみやすい。

このレンズは中野のフジヤカメラで、13,800円で手に入れた。明るさや性能からいって破格のお値段である。オールドレンズは懐にも優しいのだ。

CANON P
このレンズは1959年にCANON P型(上)に付けられたレンズである。
G1のようなマイクロフォーサーズ機に付けると、2倍の100mmの画角になる。
F1.4という驚異的な明るさの100mmレンズになるわけだ。
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F4.0 1/1000 iso100 F1.4 1/500 iso1600
無限遠は非常にシャープだ。 解放で超高感度で撮ってみた。

F1.4  1/100 iso800
マニュアルで猫の目にピントを合わ
せるのは、かなり辛い。
AFの有り難みがわかる。
F5.6 1/4000 iso800
明るいところでの動きの速い被写体は、
このカメラがお得意。 
1/4000secの高速シャッターが切れる。
F4.0 1/1250 iso100 F4.0 1/3200 iso100
近接撮影は1メートルまでだが、なかなか味な描写をみせる。
F8.0 1/800 iso100 F8.0 1/400 iso100
F8まで絞り込むと、非常にシャープでくっきりした絵になる。


CANON 100mm F3.5
CANON 100mm F3.5
ベストセラー100mmF3.5の最新モデル。
といっても1960年の発売だが。
マップカメラで3,700円だった。
LUMIX G1
ライカのスクリューマウントのレンズは
小さくて細身で、G1にとてもよく似合う。
これで200mmの画角が得られる。
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F5.6 1/1250 iso100
ワールドシネマ
F8.0 1/400 iso200
プラタナスの並木
無限遠はキャノンのレンズらしく十分にシャープだ。

F5.6 1/500 iso100
ソメイヨシノ
F5.6 1/800 iso800
キショウブ
F5.6 1/200 iso100
梅一輪
F3.5 1/1000 iso100
タンポポ
F5.6 1/25 iso800
寒ツバキ
F5.6 1/800 iso800
法華経寺のネコ

SERENAR135mm F4
セレナー135mm F4
キャノンの前身精機光学初の自社製
交換レンズ。世界の中古カメラフェアで
8千円で入手。550gとずっしりと重い。
ピカピカのクローム仕上げは美しい。
Lumix G1
このレンズはかなり目立つ。
G1につけて写真を撮っていると
好奇の目にさらされる。
ちょっと得意になる瞬間だ。

1948年の発売だから60年以上前のレンズだが、フレアも少なくくっきりした写真が撮れる。
敗戦から間もないのに良くここまでのレンズを造ったものだ。重さといい、ピカピカの鏡胴と
いい存在感はかなりのものである。
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F4.0 1/2000 iso800 F4.0 1/3200 iso400
ハナショウブ
F5.6 1/1000 iso400 F5.6 1/1250 iso800
F5.6 1/2500 iso800 F5.6 1/125 iso800
カワラナデシコ

VOIGTLANDER Super Wide-Heliar 15mm F4.5
フォクトレンダーSWH15mm F4.5
やっと手に入れたSWH。
Mマウントの新型が出たが、
これはLマウントの旧型である。
ルミックスG1
超広角レンズをつけたG1。
総重量は551g。
スナップに最適だ。

フォクトレンダーはドイツの名門企業である。カールツアイスの傘下に入り、のちにローライ
にブランドを売却、さらに日本のコシナがブランドを買い取った。数奇な運命のブランドだ。
しかし、常にその品質は第一級を誇り、現在でもレンズマニア垂涎の的である。

(クリックすると大きくなります。)
F8.0 1/2500 iso800
京成電車
F8.0 1/2000 iso800
蓮池と下総国府跡
被写界深度が非常に深いので、F8に絞れば50cmから∞までピントが合う。
F5.6 1/1250 iso800
キキョウの群落
F5.6 1/2000 iso800
アガパンサス
F5.6 1/4000 iso800
ハナショウブ
F5.6 1/3200 iso800
ハナカンナ
最近接撮影距離は35cmだから、かなりアップで撮れる。

7月に入ると東京入谷の朝顔市だ。SWHをF8に絞って、パンフォーカスで撮影してみた。
よしずの中はかなり暗いので、ISO800に感度を上げて撮った。
F8.0 1/125 iso800 F8.0 1/200 iso800
F8.0 1/250 iso800 F8.0 1/1600 iso800

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